特定口座と一般口座の違いは何?
特定口座メリットとデメリット
証券会社など、金融商品取引業者などを通じて開設する口座のことを特定口座と呼びます。投資を希望する人が簡易的に確定申告や納税ができるなどのメリットがあるため、大半が特定口座を選択しています。上場株式などの売却益は原則、翌年に確定申告が必要になりますが、特定口座は確定申告が不要になったり、必要な場合でも証券会社から送付される年間取引報告書を添付することで申告そのものを簡易的に済ませることが可能です。ただ、特定口座を開設するためには特定口座開設届けが必要です。
特定口座の源泉徴収ありの場合
株取引を行う口座は、大きく分けると源泉ありの特定口座と源泉なしの特定口座、NISA口座や一般口座の4種類があります。特定口座を利用している人の大半は、源泉ありを選択しているのですが、これは源泉徴収選択口座と呼ばれているものです。源泉徴収ありの特定口座を選択した場合、証券会社では売却損益や税金の計算を代行して貰える、さらに税金を売却代金から差し引いて貰えるので自ら確定申告を行う必要はありません。
ただ、注意しなければならないことは一部の口座で損出が発生したときなど年間の合計額で売却損になった際には他の口座の損益もしくは配当の通販をすることができるため、確定申告をした方がトータル的にお得になることもあります。そのため、特定口座の源泉徴収ありは原則確定申告をしなくても良いメリットがあるけれども、一部の口座で損出が生じたときには確定申告をする、このように考えながら源泉徴収ありの運用を行うことをおすすめします。
特定口座の源泉徴収なしの場合
特定口座の源泉徴収なしは、簡易申告口座と呼ばれるものです。特定口座で源泉徴収なしを選択した場合、証券会社などが売却損益の計算を行って貰うことは可能です。これについては源泉徴収ありを選択したときと同じメリットがあるのですが、源泉徴収なしでは税金の計算および納税までは対応して貰えませんので年間トータルで売却益の際には原則確定申告が必須です。この場合、損出が生じた際には申告は不要ですが、確定申告した方がお得になるケース(税金の還付が見込まれることがある)もあるので特定口座の源泉徴収なしは申告が必要と把握しておくと良いでしょう。
源泉徴収なしで利益が生じた際には確定申告、これは株取引で課税される税金について把握しておく必要があります。利益が生じたときには、利益の20.135%が課税されることになるのですが、この税率は所得税15%と復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計です。損失が生じたときには税金はかかりませんし、その年の他の取引で生じた利益もしくはその年に受け取った配当と相殺ができる、これにより税金の還付されることもあります。このように、損出分を他の所得と相殺することを損益通算と呼び、節税効果への期待が高まります。
一般口座のメリットとデメリット
株取引で証券会社に開設する口座は、特定口座と一般口座の2つがありますが、従来ではみなし所得比の特例を利用できるのが一般口座のメリットでした。しかし、現在ではこのような特例は廃止されており他らしく株取引をする人にとってのメリットはあまりないといわれています。一般口座の場合は、証券会社から送付される取引報告書を使い取りまとめをしなければならない、損益通算の計算や確定申告は全て自らが行う必要があります。
一般口座のメリットは、特定口座では取り扱いがない商品の取引ができることと給与・退職所得以外の所得が20万円以下であれば納税は不要になる点です。一方、一口座のデメリットは自ら年間取引報告書を作成しなければならない、確定申告が必要で譲渡所得が所得額に合算される、国民健康保険料が高くなることがある、主婦が扶養から外れる可能性があるので配偶者特別控除が適用されないなどが挙げられます。ちなみに、一般口座を使っている人は全体の約1割程度といわれています。確定申告や取引報告書の取りまとめが必要になるなどのデメリットはあるけれども、1割近い人が利用している裏側には一般口座でしか扱っていない商品がある、これに魅力を感じる人が利用しているわけです。
まとめ
証券会社などの金融商品取引業者を通じて開設する口座には、一般口座と特定口座(源泉徴収ありとなし)、NISA(少額投資非課税制
度)口座など4つの種類があります。一般口座は、特定口座やNISA口座では管理していない上場株式などを管理するためのもので損益計算や確定申告は自ら行う必要があります。仮に、複数の口座を所有して運営を行っている場合は、口座ごとに計算しなければなりませんが未公開株は一般口座のみでの利用になります。
特定口座の源泉徴収ありは、確定申告が不要で申告をした場合でも特定口座年間取引報告書を使えば簡単に済ませることができる、申告をしないときでも譲渡所得が配偶者控除や扶養控除を判定するときの所得基準に加算されないなどのメリットはあります。しかしながら、給与所得者や年金所得者などについては年間20万円以下の利益分は申告および納税は原則不要ではあるけれども税金が差し引かれてしまうなどのデメリットがあります。