証券会社の信用取引口座申し込みで審査落ちする理由
@現物取引の経験が6ヶ月以上
開設するのが信用取引の口座でも、現物取引に関してチェックされることが多いです。証券会社によって異なりますが、6ヶ月以上の経験を求めるケースが多く見られます。この場合、6カ月未満しか経験がないなら、他の条件を満たしていても拒否されることになるでしょう。回避は特に難しくなく、もう少し現物取引を続けてから挑戦することが基本的な対策です。ただし、現物取引だけではなく、信用取引の経験についても条件に入れている証券会社があります。
A金融資産が100万円以上
保有している金融資産が少ない場合も、審査落ちする可能性が高まります。こちらに関しても、すべての証券会社が設けている条件ではなく、金額に関しても統一性はありません。しかし、一つの目安として100万円という数値がよく挙げられます。保有している金融資産が多ければ問題はないですが、この金額未満しかないなら通過は難しくなるのが一般的です。この条件が困りものなのは、明記していない証券会社も多いことです。実際には金融資産の多さを重視していても、具体的な金額を示していないことが少なくありません。それどころか、重視しているという事実も隠している場合があります。このように曖昧性が高い条件であるため、上記のように世間では100万円という目安が浸透することになりました。したがって、実際は200万円や300万円のようにハードルがより高いことも十分にありえます。公表していない証券会社については、口コミサイトなどを参考にするしかありません。
B委託保証料30%
信用取引に関する条件で審査落ちするケースも多いです。これを理解するには、具体的な資金の関係を把握しなければなりません。たとえば、2000円の株を10000個購入する現物取引なら、200万円を用意しなければなりません。それに対して信用取引の場合は、このような大金を用意しなくても大丈夫です。委託保証料に相当する金額を預けている人なら基本的には購入できます。これが30%というケースが多く、この例でいうと60万円ということになります。やはりこの30%という数値も全国で共通というわけではなく、証券会社が自由に設定するものです。そのため一概にはいえませんが、その金額も用意できそうにないなら審査で落とされることになるでしょう。これは売りに関しても同様で、空売りするときなども考慮に入れなければなりません。分かりにくければ、借金するときの担保をイメージすると良いでしょう。担保を明示できなければ、融資を了承してくれない金融機関は珍しくありません。言い換えると、委託保証料の相当額を用意できることは、証券会社にとって重要な判断基準ということです。金銭的に不十分な場合に、現物で補填することを希望する利用者もよく見られます。
C取引ルールのリスクを理解しているか
証券会社はプロなので、失敗する確率は低いと思っている人もいるでしょう。たしかに素人よりは成功率が高いですが、それでも確実に儲けられるわけではありません。さまざまなリスクがあることを理解しておかないと、あとでトラブルに発展する恐れがあります。そのため、理解していないと証券会社側が判断した場合は、審査で落とされる可能性が一気に高まってしまいます。特に取引ルールに関するリスクは重要であり、開始前にしっかり把握しなければなりません。リターンとの調和がとれた財務構造をキープすることを念頭に置いてください。取引のタイミングにおいて、状況を左右する要素は数えきれないほどたくさんあります。短期的に影響を与えるものもある一方、気候変動のように中期以上にわたって関係してくるものも多いです。なかなか表面化しないケースもよくあるため、リスクをきちんと管理していくスタンスを持続的に持つことが求められます。商品ポジションを明らかにすることは、相場やヘッジが想定外な場合の市場リスクの理解につながります。取引における外貨の流動性といった幅広い事柄に関心を抱いていることも重要です。また、信用力の低下が原因となって被る損失のリスクも配慮しましょう。
まとめ
投資を行ううえで、証券会社に信用取引口座を申し込むことは重要なステップです。しかし、誰でも口座を持てるわけではなく、審査で落とされてしまう人がいることも覚えておきましょう。ただし、投資の初心者であっても必要以上に警戒する必要はありません。今回紹介したように、重点的にチェックされるポイントが決まっているので、基本的にはそれらに関する対策をすることが大事です。すべての証券会社が同じ基準を設けているわけではないため、拒否されても他で通過できることも多いです。それゆえ、とりあえずたくさん申し込んでみるという人もいます。ところが、いったん拒否されると、再び申し込んだときの審査が厳しくなるところもあるのです。このため、安全性を高めたいなら、審査のポイントを確認しておく必要があります。そのうえで、確実に通る見込みのある証券会社に狙いを定めるのが得策です。情報を公開していない証券会社もあるため、統計的な情報を参考にするしかありませんが、それでも成功率は上がるでしょう。